ヘッドホンの「無音」の表現力

またちょっと書き留めたいことができた…

 

先ほどHD650の音の特殊さ、素晴らしさについて書いたのですが、最近ヘッドホンやIE800のようなイヤホンを聞いたとき感じたことがありました。

 

ズバリ「無音」の表現力です

 

私自身、解放型ヘッドホンを聞いたときに感じる音のヌケの良さ、音場がふわっと広がったように感じる原因の一つは

音と音の間に無音の場所(音が鳴っていない箇所)があるためだと思っています

 

たとえばゼンハイザーのHD800のような音場がとりわけ評価されるヘッドホンほど、一つ一つの音がぎゅっと凝縮されて小さくなり、音と音との間に無音の空間が生まれます。

 

スピーカーだとセッティングによって自然にこの無音の空間を作り出せるのですが、ヘッドホンだとドライバと耳との距離から難しい。その空間をとても広い範囲まで作り上げた(それほど鳴っている音をギュッと小さくできた)ため、HD800はスピーカーのような広がりを得られているのだと思います。

 

思い返してみるとIE800や現在使っているEX1000もヘッドホンのような無音の空間が存在するような、一つ一つの音がギュッと密度があるような音です。音場について言及される機会が多いのにも納得です。

 

一方でHD650はまるでイヤホンのような、直接耳に届くような音の濃密さを持っています。無音の空間はとても少ないですが、その分包みこむような音を鳴らします。普通なら余裕がないように感じるはずなのですが、そう思わせないあたり、HD650の凄さを再実感しました…

音の濃さと無音空間(分離感や音ヌケ)はトレードオフなのでしょうか…まだまだ上がある世界ですし、これからが楽しみです!